コロナ等の要因でかれこれ2年半ほど行けていない海外。ミャンマーでは2022年5月に旅行ビザの申請が再開というニュースもあったのですぐにでも行きたかったですが、クーデターの件もあり、ANAの直行便も再開していないこともありで、もう少し落ち着いてからにしよう、と考えていました。
とはいえ現地にいらっしゃる知人のお話や、妻の家族の話、現地日本大使館の話を聞いている限り、少なくともヤンゴン市内については「日常生活が戻りつつある」ということだったので、思い立って2022年9月末に、ビザの申請手続きを始めました。今回はこのソーシャルビザの申請から発給までに必要な書類や期間について書いてみます。
この記事の前提や概要は以下の通りです。
・妻がミャンマー人
・ミャンマーに行くためのソーシャルビザを申請する必要があった
・ソーシャルビザは私と2歳半の娘の2人で申請した
・2022年10月7日に申請し、2022年11月2日に発給された
目次
家族にミャンマー人がいる場合は旅行ビザではなく「ソーシャルビザ」
自分は海外といってもほとんどアジア圏しか行かないため、海外に行く=ビザ、という感覚があまりありませんでした。初めてミャンマーに行った頃はまだビザが必要な時期でしたが、eVisaでオンラインで完結するような、比較的簡単なものだったので、「ビザは申請してから受け取るまで、そこまで時間はかからないな」という感覚でいました。
そんな感覚で、とりあえずビザを申し込むためミャンマー大使館に電話で確認してみたところ、「ミャンマー人の家族がいるなら旅行ビザではミャンマーに行けないので、ソーシャルビザを申請して下さい」との事。ミャンマー大使館のHPにある、以下のビザ一覧の中の「Social Visa(ソーシャルビザ)」が対象です。
ビザ一覧
http://www.myanmar-embassy-tokyo.net/2022/visa/[revised1]visa-info-form-download.htm
ソーシャルビザの申請に必要な書類について
必要な資料は日本語で書かれているものの、いまいち詳細が不明確なものもあります。そこで、資料を揃えるにあたり困って確認した内容を含め、それぞれ書いて行きます。
パスポート原本
これは文字通りですね。大使館でビザを申請する際、原本を持っていき、ビザが発給されるまで預けることになります。
カラー写真1枚(3.5 cm X 4.5 cm/背景-白の無地、最近のもの)
これも文字通りですが、「青色の背景の写真なら最近撮ったのがあるけど、使えるかな」と思って持って行ったところ、「写真の背景は白色でないとダメです」とキッパリお断り。大使館に撮影する機械があるので、そこで背景白色の写真を撮ることが出来ます。
ちなみに2歳の娘は、自宅で背景白色っぽい状態でスマホで撮影し、必要なサイズに揃えてコンビニで印刷した写真で、受け付けてもらえました。
入国/商務ビザ用申請用紙(すべて記入済みのもの)
日本人が書く書類
ビザ一覧にダウンロードリンクがある Word もしくは PDF を印刷して記入します。 記入例のサンプル もあるので、参考にすればそんなに困らないかと思います。
渡航目的は「親族訪問(visiting relatives)」のように書きました。
ミャンマー人が書く書類
これもビザ一覧の一番右側にミャンマー語でリンクがあるので、印刷して記入します。
この他にもう一部、申請の時に大使館の窓口で書類を渡されて記入したものがあったのですが、大使館のHPでは見当たりませんでした。自分の場合は妻と一緒に大使館に行きましたので、窓口で用紙を渡され、その場で記入して提出しました。
申請者のパスポートコピー(写真のあるページ)
パスポートの原本持って行くのに、コピー必要?と思いつつですが、コピーを取って持って行きます。
元ミャンマー国籍の証明資料
これは帰化した人のためなのかなんなのか、、、とにかく日本人は不要です。
ミャンマー国籍の方との関係がわかる証明書
証明書は戸籍謄本を求められ、英訳して公証役場で認証された書類を提出するように言われました。戸籍謄本の英訳や、公証役場のことについては後述します。
ミャンマーから招待状に下記を明記すること
招待状はミャンマー側で準備してもらう必要があり、内容について、大使館のHPには以下のように書かれています。
①招待者との関係または家族との関係
②招待を受けた方の滞在先住所と滞在地区の役所からの滞在予定証明書
特に書式は無く、ミャンマー語で、紙に手書きで良いのですが、自分の場合は必要な情報が書かれていなかったようで、窓口で再提出を求められました。招待状に必要な情報は主に以下の通りです。
- 招待する人の名前(ミャンマー側にいる招待者)
- 招待される人の名前(ミャンマーに行く外国人=今回ビザを申請する人)
- 招待される人のパスポート番号
- ミャンマーに滞在する日程予定(〇月〇日~〇月〇日)
- 渡航目的(家族と会うためにミャンマーに呼びます、といった内容)
招待状の原本は不要なので、ミャンマー側で書いてもらったらスマホで撮影して送ってもらい、印刷して提出すればOKです。公的な押印が不要なため、これについては、書けるなら日本側で用意することも出来ます。
招待者が健在でその地区に住んでいるという住居証明書
これは自分の場合、家族一覧が書かれている住居証明書をスマホで撮影して送ってもらい、印刷して提出しました。正式な住居証明書のため、取得はミャンマー側のみとなりますので、ミャンマー側での確認が必要な書類となります。
戸籍謄本の英訳と公証役場での認証について
これが一番悩まされたと言いますか、大使館の窓口の人との確認に困ったことでした。
戸籍謄本を取得
まず戸籍謄本を取得するわけですが、これについては問題ありません。本籍地で取得しましょう。
戸籍謄本を英訳
続いて戸籍謄本を英訳するわけですが、大使館の窓口では「公証役場で英訳してもらってハンコが押された状態で持ってきて下さい」という説明を受けました。そこで近くの公証役場に確認したところ、「公証役場では英訳は行っていないので、英訳された書類と戸籍謄本を持ってきて下さい」という回答。板挟み状態です。
英訳って業者に頼まなければいけないのか、自分でやって良いものか。とりあえず、自分は以下のページで公開されていたテンプレートを使用させて頂いて、自分で翻訳しました。
戸籍謄本の1枚目や2枚目がわかるよう「 (1 of 2 pages ) Certificate of all Registered Matters」と書き、原本の順に沿って訳文を書いていきます。
自分の場合は全訳文の最下部に枠線を書いて、その下に「Declaration」という見出しを付け、「I hereby certify that the foregoing is a correct translation.」と一文を書き、「Translator’s Name」「Translator’s Date」「Translator’s Signature」の3枠を用意して手書きできるようにしておきました。
公証役場で認証してもらう(自分の例)
公証役場はいきなり伺ってもおそらく対応してもらえないので、まずは近場の公証役場に電話して、要件を伝え、予約します。その後、当日使用する書類を事前に送り、内容を確認してもらいました。
公証役場に行ってから、戸籍謄本の原本と英訳の書類を出し、公証人の目の前で「Declaration」以下の3枠に記入し、公証人に認証してもらう、という対応として頂きました。「目の前で署名したことを認証したよ」という意味の証明という事で、認証の英訳も「おまけとして」付けて頂きました。おそらく問題ないであろうと理解し、大使館に提出後、ビザ発給まで追加書類の要求も無かったので、結果としては問題はありませんでした。
「おまけとして」付けて頂いた英訳がこちら(画像の赤字部分が「Translation」となっています)。
公証役場で認証してもらう(本来必要な内容)
上記の通り自分は問題なかったのですが、後から聞いた話では「本当は【Notarization】という見出しの、外務省の証明であることが確認できる書類でないとダメ」という事でした。本来は上記画像の赤線に該当する部分が「Notarization」となり、しかるべき内容と外務省の押印がある書類が正しいそうです。
そのため、申請が心配な方は「戸籍謄本 英訳 Notarization」などでGoogle検索をして情報をご確認のうえ、業者に委託された方が良いかもしれません。
戸籍謄本の必要な部数について
親子で申請するのに2部必要なの?と思いましたが、申請は1部で問題ありませんでした。
ビザが発給されるまでの期間
冒頭でも書いたとおり、「ビザは申請してから受け取るまで、そこまで時間はかからないな」という感覚でいた自分としては、申請してから1週間、遅くても2週間あればビザを受け取れるものと考えていました。
書類の確認や準備で時間を要したこともありましたが、実際に申請したのは2022年10月7日。航空券も事前に予約していて、出発日が2022年10月29日。そして実際にビザが発給されたのは2022年11月2日。
。。。はい、実は予定していた日までにビザの発給が間に合わなかったんです。
結果としてはビザ申請から発給まで約1ヶ月かかりました。
招待状に日程も書いているし、申請から3週間くらいの期間があるし、書類の不備がなければ、さすがに大丈夫だろう。そう考えていたのが甘かったようで、航空券や事前のPCR検査、早朝出発の予定だったため前泊するためのホテルなど、諸々キャンセルすることになってしまいました。
反省点
上記のビザ申請の流れでも出てこないのですが、ビザ申請のために「航空券やホテルの予約」は特に必要ありません。申請書類にはあくまで「予定」を記入すれば良いので、実際に諸々の予約をするのはビザが発給されてからにしましょう、というのが、今回の反省点でした。
以上、ミャンマー行きのソーシャルビザ申請から発給までに必要な書類や期間についてでした。