南部鉄器の鉄瓶兼用急須を使ってみた感想

  1. 生活

日常的に白湯や温かいお茶を飲む人も多いのではないでしょうか。ポットで沸かしたお湯でも悪くはないのですが、ある時とあるホテルに宿泊したときに良い雰囲気の重厚感ある急須が置かれており、気になって調べてみたところ「南部鉄器」というものだということを知りました。

調べてみると、鉄分補給のためにとても良いということで、健康に気を使い始めていた自分としては興味があり、岩鋳(IWACHU)というメーカーの鉄瓶兼用急須を購入するに至りました。

この記事では初めて南部鉄器を知ってから、鉄瓶にするか急須にするかを悩みつつ、鉄瓶兼用急須を購入するまでと、購入後の感想を書いてみます。

南部鉄器とは

南部鉄器は、日本の伝統的な工芸品であり、岩手県の南部地方で生まれた鉄製の器具や鋳物です。この地域は鉄製品の製造が盛んで、その歴史は400年以上にわたります。南部鉄器は、鍋や急須、焼き物器など、日常生活で使われる様々な製品を含んでいます。

南部鉄器の鉄分は二価鉄(ヘム鉄)

鉄分には大きく分けて「二価鉄(ヘム鉄) / Fe2+」と「三価鉄(非ヘム鉄) / Fe3+」という2種類があるそうです。二価鉄は三価鉄に比べて数倍も鉄分が身体に吸収されやすく、摂取するとそのまま体内に吸収されます。

南部鉄器から溶出する鉄分は80~95%が吸収されやすい二価鉄となっているため、継続的な使用で貧血予防・改善に効果があることが明らかになっています。

水道水でも美味しい白湯になる

南部鉄器でお湯を沸かす際、沸騰してから5分~10分程度、蓋をあけた状態で沸騰させ続けると、水道水でもカルキ臭が激減してとてもまろやか白湯に大変身します。ポットで沸かした水道水と比べるとその差は歴然。白湯を日常的に飲む人には是非おすすめです。

鉄瓶、急須、鉄瓶兼用急須の違い

南部鉄器を白湯やお茶を飲む用途として検討する場合、大きく分けて「鉄瓶」「急須」「鉄瓶兼用急須」の3種類に分かれます。ここではそれぞれの特徴をみていきましょう。

鉄瓶

まず南部鉄器といえば「鉄瓶」でしょう。南部鉄器を知るまでは「鉄瓶」という言葉を意識したことはありませんでしたが、用途としては「やかん」のようなものですね。もちろん直火で沸かすことができ、IH対応の商品も多くあります。

メーカーによりますが、大きなものだと3リットルを超える容量の鉄瓶もあります。但し、「鉄」というだけあってそもそも重く、3リットルともなるとちょっとした筋トレのようになってしまうと思いますので、程よいサイズを選択することが大切です。

使い方としては、まとめてお湯を沸かしてポット等に移しておく、というのが良いかと思います。まとめて沸かしたり、ティーバッグを入れて煮出して使用するような用途ですと、鉄瓶がおすすめです。

急須

茶こしが付いており、お茶を飲むのに適したものをお探しの場合、まず最初に思いつくのが「急須」ですね。但し南部鉄器の場合、この「急須」を選ぶときは注意が必要です。なぜなら、「急須」タイプの多くは内側に「ホーロー加工」という加工が施されているからです。

南部鉄器の購入を検討する一番の要因は「鉄分補給」ですが、ホーロー加工が施されていると、お湯を沸かしても鉄分が溶出されません。見た目が良い感じであるものの、通常の急須と同じ、ということになります。鉄の性質上、保温力はあるものの、直火で沸かすことも出来ません。

「なんで南部鉄器の良さを無くしてしまうようなことをするの?」と思うかもしれません。自分もそのように思ったのですが、南部鉄器の一番の難点は「錆びやすい」ということ。ホーロー加工を施すことによって錆びなくなるというのが、急須タイプのメリットということになります。自分がホテルで初めて触れた南部鉄器も、思い返せばこの急須タイプだったということです。

「南部鉄器の見た目と重厚感が好きで、鉄分は特に気にしない」という方には、この急須タイプがおすすめです。

鉄瓶兼用急須

急須として使いたいけど鉄分も補給したい。そのような「良いとこ取り」の商品がこの「鉄瓶兼用急須」です。茶こしが付いていて、内側にはホーロー加工無し、直火で沸かすこともできるという商品です。

使い方を想像して、そのまま沸かして白湯も良し、お茶の葉を入れてお茶も良し、というように考え、自分はこの「鉄瓶兼用急須」を購入しました。容量は0.65リットルで、個人的には大きさも重さもちょうどよく、とても使いやすいです。

ただ、使い方を誤ると錆びてしまうという懸念があります。続いて普段の使い方について書いてみます。

鉄瓶としての普段の使い方

8分目くらいまで水を入れて沸騰後、5分~10分程度ほど沸騰させ続けて、大きめのマグカップに全て注ぎ入れます。その後すぐに20~30秒くらい空焚きして乾燥させて、しばらく冷まして保管するようにしています。この使い方ですと、錆びる気配は一向にありません。

基本的に南部鉄器は「沸かしたあとはすべて使い切る」というのが重要なようです。大きめの鉄瓶であればポットに入れたりして空っぽにし、すこし空焚きして乾燥させることで、長くきれいに使うことが出来ます。

ちなみに初めて使用したときに空焚きをしなかったことで、注ぎ口の部分だけ少し錆が残るようになりました。

急須として使用してみた

「鉄瓶兼用急須」を購入した本来の目的である「急須」として使用してみました。水を入れて沸騰後、茶こしにお茶の葉を入れて少し煮出し、そのまま急須の感覚でお茶を飲んでいました。

蓋にほんの少しだけ錆の前兆

テーブルに置いて飲んでいた時間は30分程度でしょうか。蓋をして置いていたのですが、蓋を開けて見てみたところ、ほんの少しですが錆の前兆のような跡が付いていました。

このため、「沸かしたあとはすべて使い切る」という原則を守り、お茶の葉を入れても全て注ぎ切り、少し水で洗い流してから空焚きで乾燥させる、という手順を守って、お茶を楽しむのが良いと感じました。

※ちなみにお茶で使用したからとはいえ、内側を洗剤やスポンジ等で洗うのは厳禁のようです。水で洗い流す程度にしましょう。

補足:釜敷きについて

鉄瓶は、特に直火で使用したあとはとてつもなく熱いです。鉄なので当然ですが、直火で使用したあとに適当な場所に置いてしまうと、跡が残ったりという事になりかねません。そのため、鉄瓶の下に敷いて使う「釜敷き」を併せて購入することをお勧めします。自分はこのようなデザインの「釜敷き」を購入しました。

使ってみてわかりましたが、使用後に乾燥させるにあたり、蓋がちょっと引っかかって良い感じに置けるのが便利です。

まとめ

まず種類についてまとめてみました。

  • 鉄分補給を目的に、大容量でまとめて沸かしたりティーバッグを煮出すような用途=「鉄瓶」
  • 鉄分は不要だが南部鉄器の重厚感が好きで、通常の急須のような用途=「急須」
  • 鉄分補給を目的に、茶こしが付いていて白湯やお茶を個人的に楽しむ用途=「鉄瓶兼用急須」

続いて鉄瓶もしくは鉄瓶兼用急須を使用する際の注意点が以下の通りです。

  • 沸かしたあとはすべて使い切る
  • 使用後は20~30秒くらい空焚きして乾燥させる
  • 内側を洗剤やスポンジ等を使って洗わない

いかがでしたでしょうか。
南部鉄器の購入を検討されている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

ちなみにこの記事で紹介させて頂いた岩鋳(IWACHU)の鉄瓶兼用急須と釜敷きはこちらから購入できます。

以上、南部鉄器の鉄瓶兼用急須を使ってみた感想でした。


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