幼いころに聞いた言葉でも、なんとなくずっと頭に残っている言葉って、たまにあったりしますよね。親だったり、先生だったり、となりのおばちゃんだったり。いろんな場合があるかと思いますが、私はおばあちゃんに言われた言葉でとても印象に残っている言葉がありました。
1円は拾わんでもえぇ
場所は生まれ故郷でもある愛媛の田舎。子どものころ、小学校低学年くらいでしょうか。おばあちゃんと道を歩いていると、1円玉が落ちているのを見つけました。
「お金が落ちとる!」
と、1円玉を拾おうとしました。するとおばあちゃんが言います。
「1円は拾わんでもえぇ」
小学生ながらに「なんでやろう」と感じたのも束の間、おばあちゃんが理由を話します。
しゃがんで拾って立ち上がる労力
おばあちゃん曰く、しゃがんで拾って立ち上がる、1円のためにそんなことせんでえぇ、と。しかも道に落ちとるから汚い、ばい菌がおるかもしらん、と。
その時はそのまま素通りして終わったのですが、なぜか大人になってから思い出す機会があり、考え方の一つの基準になっています。
「その行動は対価に見合っているか」
こう書くと仰々しいですが、言わんとすることはこの通り。しゃがんで拾って立ち上がる労力と、ばい菌のリスクを負って、手に入れるのが1円で良いのか、という事です。それなら拾わない方が良い、という選択がある、とうい事ですね。
不思議とずっと頭に残っている「1円は拾わんでもえぇ」でした。