肝臓の状態を知るためのγGTP、AST、ALTの数値に関すること

  1. 病気

お酒を飲む人にとって向き合い続けなければいけない肝臓。「沈黙の臓器」という異名をもつ肝臓は、自覚症状なく少しずつ悪化し、気付いた時には取り返しのつかないような状態になってしまう可能性もあります。そんな沈黙の臓器、肝臓の状態を把握するためには、重要な指数とその基準値を知っておくことが第一歩。定期的に健康診断や献血などで数値を確認するために、重要な指数を把握しておきましょう。

γGTP(がんまじーてぃーぴー)

基準値

男性:80 IU/L以下 女性:30 IU/L以下

高いとお酒の飲み過ぎ、という一番わかりやすい数値が「γGTP(がんまじーてぃーぴー)」です。肝臓の解毒作用に関係している酵素だそうで、肝臓や胆管といった細胞が壊れると血液の中にγGTPが流れ出すため、血液中のγGTPが高くなる=肝臓や胆管が壊れている=お酒の飲み過ぎで負担がかかっている、ということが判断できます。

ストレスにも反応する

100を超えたら必ず病院に行きましょう、と言われるこの数値ですが、自分は一度、1,800という異常値が出たことがありました。あまりの異常値だったものの、そんなにお酒飲み過ぎてたかな?と思っていると、医者から「ストレスが過剰な環境ではないですか?何もせず、仕事も休み、まず安静にして下さい。」ということを言われました。

確かにその時期は仕事での精神的な負荷が大きい時期で、日中も動悸が激しくなったり、しんどいなと思っていた時期でした。その後、仕事が落ち着いてきて改めて計測したところ、γGTPは150程度になりました。(これは単に飲み過ぎ)

この通り、γGTPの上昇はお酒の飲み過ぎもありますが、ストレスの要因である可能性もあります。また、食べ物の消化でも負荷がかかるので、炭水化物や油っこい食べ物など負担の大きな食事を続けることが要因である可能性もあります。

いずれにしても、γGTPが高い時はお酒はもちろん、ストレスもなるべく緩和できるよう、ゆったりとした生活を心がけましょう。

AST (GOT)

基準値

7~38 IU/L

AST(GOT)は肝細胞で、肝臓に負荷がかかる→肝細胞が壊れる→血液中に放出される→値が高くなる、という事から、肝機能の状態を知るための重要な数値のひとつとして知られています。

AST(GOT)とALT (GPT)は比率も重要なので、検査の際は一緒に確認することが多いです。ASTとALTの数値がいずれも基準値を超えていて、且つASTの方が高い場合、AST/ALT比 2.0以上で肝硬変AST/ALT比 3.0以上で肝がんと、恐ろしい状態である可能性もあるので、注意が必要です。

ALT (GPT)

基準値

4~44 IU/L

ALT (GPT)もAST(GOT)と同じく肝細胞で、特にALTは主に肝臓内に存在していて、肝機能の障害を調べるのに適しているようです。

ASTとの比率が重要で、ASTとALTの数値がいずれも基準値を超えていて、且つALTの方が高い場合、慢性肝炎の疑いもあるので、注意が必要です。

定期的に採血しつつ、食べ過ぎ飲み過ぎにご注意を

沈黙の臓器といわれる肝臓。楽しくお酒を飲むためには肝臓が健全な状態であることが大前提です。

健康診断や献血など、なるべく定期的に採血することを心がけ、γGTP、AST、ALTの数値を確認しておくことをオススメします。

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