ウェブ制作会社。システム開発会社やマーケティング関連もですが、いわゆる「IT関連の請負会社」の今後について考えてみる。
これらの企業は、商流を抜かして考えると、事業会社から業務を請け負い納品する「外注先」で、事業会社が内政し難い専門分野だからこそ成り立っています。
これだけ考えると製造業界や食品業界など、よくある業務委託関係になりますが、IT業界ならではの変化が今後、進んでいくのではないかという予想があります。
中小のIT関連の請負会社は激減する
先日、台湾のマーケティング関連企業の方と話していると、親会社がこれまで主軸の一つとしてきた「請負の制作事業部」を閉じた、というお話がありました。
請負会社が激減するであろう大きな理由は2つ考えられます。
理由1.フリーランスの存在
IT関連の特徴として、時と場所と人を選ばない事があります。インターネットとPCがあればいつでもどこでも大抵の仕事は対応でき、必ずしも大人数が必要なわけではありません。
特に海外ではフリーランスや個人事業主はある種のブランドのような印象もあり、案件単位でチームを組んで対応することも珍しくありません。
日本でも徐々にフリーランスの地位が向上してきている風潮にありますので、制作会社に頼むよりもフリーランス、もしくは案件規模に合わせてフリーランスを束ねた方が費用対効果も高くなる、という考えが根付いていくのかと思います。
理由2.M&Aによる内製化
外注して制作して保守も外注に依頼して、ともすれば個人情報の管理も丸投げ、何をしているか把握が出来ない、という事業会社が多くあります。とはいえ社内にウェブ事業部を作ろうにも、どのように採用して組織化すれば良いかわからない。それなら数名規模の小さな会社をM&Aしてそのまま事業部化してしまおう、という流れが進みつつあります。
この流れがより進めば、M&Aされる事により請負会社が少なくなり、且つ外注する需要も減るので、請負会社が激減していくであろう、と考えられます。
とはいえもちろん請負の業界がなくなるという事は考えられませんが、急増したIT業界の各請負企業がこれらのような理由で激減することは容易に想像できるので、請負に関わる事業を続けていくには、このような可能性をふまえて社の強み等をいかしている必要がありそうですね。